4月15日(金)
フェリーの待ち時間を入れると結局丸1日ツアーになったブルニー島観光。
ホバートの第二夜は何を食べようか、とネットを探索してみたら、やはり港近くの集まったシーフードレストラン街に目が行く。そのほとんどが持ち帰り用かファストフードスタイルのカジュアルな店だけどね。
金曜日の夜だということを忘れていたら、有名なシーフードレストランのMures(ミュアーズ)はほとんど満席状態。1階の気軽なセルフサービスのファストフード風、2階はサービスのつくレストランだ。ランチのチャウダーがまだ胃に残っているようなお腹の状態では、とても2階のレストランに行くほどではない。
そのミュアーズの隣には新しくできたらしいPerls & Co.というなかなかしっとりとした雰囲気のバー兼レストランがあり、ミュアーズ1階の明るく騒々しい、食器は全て紙かプラスチックという店とは一線を画している。
入ってみたら案の定テーブルは全て予約で埋まっていたが、かろうじてバーのカウンターが空いていたのでそこに潜り込んだ。
タスマニア産リースリングを注文して、メニューを開くとメインのほかにもワイン用の軽いスナック類と前菜が揃っている。
ちなみになぜタスマニアに白ワインのリースリングがか多いのかというと、気候がヨーロッパの寒い冬に似ているから。リースリングは寒さがないと美味しいのは作れない、とは昼間行ったブルニー島のワイナリーオーナーの言葉。
最初に出てきたのはWhite Baitと呼ばれるイワシの一種の稚魚(1枚めの写真参照)。
要するに「ちょっと大きくしたシラス」である。オーストラリアではこれを塩コショウしてから小麦粉をまぶして揚げるのが一般的だ。バーやパブでのおつまみの定番である。
これにレモン汁をぎゅうと絞ったり、アイオリソース(マヨネーズ、サワークリーム、ニンニク)にちょっと浸して食べる。小さいだけに頭から食べられるし「オーストラリア人の嫌いな魚の骨」も感じられない。わたしはおつまみと言ったら、こちらの「揚げたデカいシラス」のほうが揚げたポテトより好きだ。
そして、もちろん生ガキ。
今度はレストランなので少し手を入れたメニューにしてみた。開けたばかりの生ガキにはジン、ゆず、キュウリのソースがかかっている。これをさっと口に流し込む。いやはや、美味しい。
こちらはわたしたちがワインを飲んでいる間に、キッチンの中で生ガキをこじあけているシェフのひとり。
あとはこんな感じのおつまみセットで。
タコの酢漬け、生鮭のサラダ、クリームチーズとスモークサーモンのロールにディップ各種。
鮭の刺し身とイクラの前菜は、かかっているソースが少々甘くて鮭に合っていなかったような気がする。モノは新鮮なのだが。
軽く1杯とおつまみなどと言いながら、隣の席に座った「カウンターのスツールがふたつ要りそうなほど太った男性」と「彼の連れのわたしの腕ぐらいの細い腰を持つ若い女性」が話しかけてきたので、ホバートの話に花が咲く。
「明日はマーケットがあるから、絶対行かなきゃだめよ」と女性に言われ、じゃそろそろホテルに帰らなければ、と名残惜しくレストラン街を後にした。