国が違えば法律も違うわけで、それはオーストラリアの飲酒でも同じだ。
日本に比べるとはるかに飲酒に絡んだ暴力や事故などが多いオーストラリアでは、近くの住民が1杯引っ掛けにやってくる近所のパブにも法律の告示が大きく貼りだされている。それも、オーストラリアのサッカーを常時放送しているテレビの真下。
誰もが顔を上げて熱心に見入るので、イヤでも目にとまる。
拡大すると、こんな感じでオーストラリア政府と西オーストラリア州政府と警察のロゴまで大きくついている。
「酔っぱらいに酒を売ったり薦めたりすることは、違法です」と書かれている。そして、罰金の額がかなり高いのがわかる。
酒売買の許可証保持者、または店のマネージャー:10000ドル(約80万円)
店の従業員、または販売員:4000ドル(約32万円)
その他の場合:2000ドル(約16万円)
この「その他の場合」には、酔っぱらいと一緒に飲んでいる同僚だの友達だのが含まれる。つまり、日本の居酒屋でよく見る「まだ飲めるじゃんかよう、ほれほれ」とほとんどロレツも回らない隣の友達にやったら、オーストラリアでは店から警察に通報されてアナタがしょっぴかれることもあるのだ。
いや、日本にももしかしたらこういう告示があるのかもしれないけど、こんなふうに目立つ場所には貼られていないよね。少なくとも、わたしは今まで日本では気づかなかった。
この告示を見ていたときに、ふと気になり隣の友達に聞いてみた。
「ねえ、じゃあ酔っぱらっているひとは罰金を払わなくてもいいの?」
「もちろん、払わないさ。酔っぱらうこと自体は、ひとに暴力をふるったり車を運転したりしない限り自由だからね」
なるほど。
ちなみに、オーストラリアでお酒が飲める年齢は18歳。
少しでも若くみえると、入り口でID(運転免許証やパスポート)の提示が求められるので、ご注意を。18歳未満のひとに酒を売ったら、店にも罰金が課せられるからだ。
18歳未満が酒を飲んでいるのを通報されたら2000ドル(16万円)の罰金になる。
日本人は実際の年齢より若く見えるひとが多いので、かなりな確率で入り口で止められるんだなあ、これが。お酒を飲みに行くときは、必ずIDまたはパスポートを持参してね。
童顔の日本人友達などは34歳なのにまだ「パスポートを見せろ」と言われていたので。